慶應大学 総合政策学部 2016年 資料6
- 日本の人口の高齢化は着実に進展してきた。
- 人口構成の変化により、所得分配が悪化したように見える可能性がある。
- 同一年齢内の所得格差は年齢が高くなるに従って大きくなる。
- 日本のように年齢間の賃金格差が比較的大きい国では、人口構成の変化が経済全体の所得格差にも影響する。
- 全国消費実態調査の年齢別ジニ係数
- どの年についても若年層よりも高齢層の間での年齢内所得格差は大きい。
- 各年代の年齢別ジニ係数のグラフはほとんど重なっており、非常に安定的である。
- 大竹は、1980年代に観察された所得不平等度の上昇が人口の高齢化によって引き起こされた可能性が高いことを指摘した。
- 人口高齢化によって発生する社会全体の不平等度の高まりは真の不平等化とはいえない。
- ただし、人口高齢化の影響は用いるデータや期間によって異なっている。
- 1989~1995
- 人口高齢化による不平等度上昇効果は全体の19%である。
- 1999~2002
- 64%が人口高齢化の影響であるとしている。
- 年齢階層別所得不平等度
- 若年層よりも、高齢者層で不平等度が高いことが分かる。
- 低成長・少子化社会では、遺産相続が生涯所得格差に大きな影響を与えてくる。