慶應大学 総合政策学部 2016年 資料2
- 所得分配の格差を分析する際は、これらの格差のさまざまな特徴と要素を入念に区別して考える必要がある。
- 規範的、道徳的理由から区別することも大切。
- 実際のそれぞれの格差推移を説明する経済的、社会的、政治的メカニズムがまったく違うことも、区別が必要。
- 労働所得格差の場合
- 技能の需要供給
- 教育制度の状態
- 労働市場の運営、賃金決定に影響を与える原則
- 資本所得格差の場合
- 貯蓄と投資活動※もっとも重要
- 贈与と相続を管理する法律
- 不動産と金融市場の動き
- 一般的な統計指標は、格差の多様な様相とそこで働いているメカニズムを区別できない。
- (理由)労働と資本の格差という全く異なる要素を混ぜ合わせたジニ係数のような総合指標であることが多いため、
- 従って、格差を分析するなら、総所得、国富における様々なシェアを示す分布表を使う方がずっとよいと私は考えた。
- 最も金持ちの0,1%の国民所得シェアを英語圏とヨーロッパや日本で比べた。
- ここ数十年で、米国のトップ千分位は、シェアを2%から10%近くにまで増やしてきた。
- 他の国であるフランスや日本でも同様の大幅な増加が起こっている。
- マクロ経済の視点で見ると、超高所得の激増は、これまでのところヨーロッパと日本ではそれほど顕著ではない。
- 米国は昔ヨーロッパほど格差がひどくなかった。
- ヨーロッパと日本はかつて同じくらいに格差がひどかった。